ニッケイ・シンキング

主に日経新聞を題材にして、忽那ゼミ生が365日コメントを書く、 知的思考広場である。 コメントの切り口は多岐にわたり、ロジカルシンキング、経済学、ファイナンス、アントレプレナーシップ等が用いられる。

佐野 「働くニホン」

朝刊1
「働くニホン」

少子高齢化による労働力不足が叫ばれている中で、「人財」に焦点を当てたコラム。再スタートを切る様々な人を紹介し、「必要とされている」という充実感をどのようにして持たせるか、という問いを投げかけている。


この記事を読んで、少し働くということについて考えてみた。

記事中の一つにM&Aによる事業売却で所属会社が代わった例や、
研究所閉鎖によって職を失った例が出ていた。
企業経営と人材を見ていく上で、2つの側面から考えてみる。

・マクロ的側面
企業はゴーイングコンサーンが前提で、永続していくことで製品やサービスを供給し続け、
雇用を創出するという役割がある。
そのため、大局観を持ってその意思決定をしていかなければならない。
この記事中のM&Aや研究所閉鎖はそのような考えのもとで行われたもので、
おそらく意思決定としては決して間違ったものではない。

更に言えば、今自分たちが学んでいる会計指標入門やこれから学ぶパレプ、
昨年学んだコーポレートファイナンスなども当然この前提を持って書かれているし、
その他の教科書も同じような感じと言える。

・ミクロ的側面
しかし一方で働く人個々人はミクロの世界である。
研究所閉鎖は企業経営として正しい意思決定だとしても、
それによって多くの人が職を失うという事実は避けて通れない。
企業にとってプラスのことだが、従業員にとっては決してプラスに働かないことは、
往々にして存在する。

企業にとってミクロ要因を気にして意思決定が遅れれば、
全社的にもっと悪い方向へ向かいかねない。
大義のための小さな犠牲、というと言い過ぎかもしれないが、
少なからず似たようなことが起こり得る。
そしてその際の対処方法やその答えは様々な種類の人間が関わってくるため、
基本的に文献などで学べるものではないと言える。

常に社員全員が大局観を持って仕事ができればよいだろうし自分もそうしたいが、
ミクロ的に個々人のその日々の幸せを忘れることも奪うこともなるべくしたくはないものである。
その両者を出来る限り結びつけるという難しさも、もしかしたら経営にはあるのかもしれない。
  1. 2008/05/03(土) 10:34:28|
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兵庫県にある神戸大学経営学部のゼミである。 アントレプレナーファイナンスを専攻している。

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