ニッケイ・シンキング

主に日経新聞を題材にして、忽那ゼミ生が365日コメントを書く、 知的思考広場である。 コメントの切り口は多岐にわたり、ロジカルシンキング、経済学、ファイナンス、アントレプレナーシップ等が用いられる。

「特別目的子会社を重点審査」

「特別目的子会社を重点審査」

 金融庁は上場企業など有価証券報告書を提出している全企業について、特別目的子会社(SPC)の保有状況や情報開示を重点審査すると発表した。子会社に該当しないように見せ、連結対象から外すことで投資家に不利益を与えるケースが発生するのを防ぐため、情報開示が不十分な企業には訂正を求める。企業会計基準委員会が「特別目的会社の開示指針」を作成。同指針は出資比率などで子会社に該当しなくても原則として情報開示を求めている。


SPCに関してはサブプライム問題で海外金融機関が、
連結外のSPCで生じた巨額の運用損を計上するなど、
情報開示の問題点が指摘されている。

SPCとは資産の流動化や証券化において利用する目的で設立された会社を指す。
資金調達しようとする企業等が担保資産をSPCに一旦譲渡することで、
資産を企業から分離し、企業等の倒産リスクから隔離するための役割を果たす。
SPCに資産が譲渡されることによって、
社債権者は譲渡された資産から発生する収益を安定的に受け取ることが可能になる。

特別目的会社における子会社の判定では、実質支配力基準が採用されているが、
事業内容の変更が制限されていることなどの3つの要件を満たせば、
子会社等に該当しないものと推定し、連結対象外としている(財務諸表等規則8条7項)。
実質支配基準とは連結財務諸表作成の基礎となる子会社の範囲を、
議決権の所有割合だけではなく、株主総会などの財務および営業または事業の方針を、
決定する機関が支配されているかどうかによって決定する基準のこと。

つまり経営者は特別目的会社を連結対象に含めるかどうかについて裁量を持つことになる。
会計分析のレッドフラッグにもあったが、企業が特別目的会社を保有している場合は、
分析を深める必要がある。
しかし今回の基準は経営者が特別目的会社に多額の損失を隠すことを不可能にし、
情報開示の質を高めている。
  1. 2008/06/04(水) 02:20:55|
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忽那ゼミとは

兵庫県にある神戸大学経営学部のゼミである。 アントレプレナーファイナンスを専攻している。

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